2026 年の OpenHuman とは何か、OpenClaw や ChatGPT と何が違うか
OpenHuman は TinyHumans AI が GPL-3.0 で公開するデスクトップ型パーソナル Agent です。Rust と Tauri v2、React 19 上で動き、Gmail や GitHub など 118 以上の OAuth 連携を UI から接続できます。会話や取り込みデータは Memory Tree として端末内 SQLite に階層要約され、Obsidian 互換の Markdown vault にも書き出されます。20 分間隔の auto-fetch が各連携から差分を引き、プロンプトなしで朝には昨日の文脈が揃う設計です。
OpenClaw は CLI と Gateway が中心で Telegram 等のメッセージ経路に強く、ターミナル前提の運用が多いです。ChatGPT ブラウザタブはセッション単位の記憶に留まり、メールやカレンダーを自動要約する Memory Tree はありません。OpenHuman は「デスクに座る助理」寄りで、マスコット UI、音声、Google Meet 参加、TokenJuice による入力圧縮が標準です。モデルは管理ルーティングが既定ですが、config.toml で Ollama ローカル推論を任意有効化できます。
本稿は「なぜ Agent が欲しいか」の議論ではなく、正しいパッケージ経路で入れ、ログインし、データ源を接続し、Memory Tree で初回応答を確認するところまでを扱います。初回クリーン導入は 30 から 45 分、OAuth 複数本と auto-fetch 検証まで含めると 90 分程度を見込んでください。永続データはユーザーディレクトリ配下に集約されるため、共有 Mac では権限とディスククォータを先に確認します。
管理サービスとの境界も先に理解しておくと後戻りが減ります。アカウントサインイン、モデルルーティング、Composio 経由 OAuth の一部は TinyHumans 側バックエンドを経由しますが、Memory Tree 本体と vault ファイルは端末に残ります。完全オフライン志向なら Ollama と direct Composio キーを検討し、それでもリアルタイムトリガーは自前ホストが必要です。
curl パイプのみ: スクリプトに別署名がなく、改ざん検知ができません。本番 macOS/Linux では Homebrew または署名付き apt を選びます。
pip や system Python 混同: OpenHuman はデスクトップアプリです。pip install 系の手順は公式ユーザー導線にありません。
Linux AppImage + Wayland: 起動クラッシュが報告されています。Debian/Ubuntu では .deb または apt 経路を優先します。
管理ログイン後の期待ズレ: 完全ローカルのみを想定すると OAuth やモデルプロキシで止まります。初回オンボーディングで境界を確認します。
ノート PC スリープ: auto-fetch と Memory Tree 更新が止まり、Agent が「忘れた」状態に見えます。常時取り込みには常時稼働ホストが必要です。
デプロイ面を決めてから、第 04 節の六ステップに進んでください。
どこで OpenHuman を動かすか、MacBook・VPS・月額 Mac Mini
OpenHuman は Windows、macOS、Linux 向けネイティブパッケージが公式です。GUI と Memory Tree だけなら 8 GB RAM が最低目安、Ollama で 7B クラスを常時載せるなら 16 GB、OpenClaw と並走するなら 24 GB を推奨します。ディスクは vault と SQLite 成長分で 20 GB 以上 を確保してください。
| デプロイ面 | 7×24 可用性 | 公式 GUI 完全性 | auto-fetch / Memory Tree | 月次コスト感 |
|---|---|---|---|---|
| 個人 MacBook | 蓋閉じで停止(約 60%) | macOS で最高 | 中断が多い | 0 円 + 運用不安 |
| Raspberry Pi 4B 8GB | 約 88% | Linux、Metal なし | I/O ボトルネック | ハード一括 |
| x86 VPS 4GB | 約 99.5% | ヘッドレス GUI 要 VNC | 取り込みは可能 | 従量課金 |
| 月額 Mac Mini M4 | データセンター SLA、約 100% | 最高(launchd + UMA) | 連続蓄積 | 固定 OpEx、返却可 |
大容量 Gmail や複数 SaaS を 20 分間隔で取り込む場合、ネットワークと CPU より ディスク I/O と SQLite 書き込みが先にボトルネックになります。EU 外リージョンの VPS でも動きますが、OAuth リダイレクトとモデルレイテンシは物理距離の影響を受けます。
インストール手順は「動くか」を答え、プラットフォーム選定は「どれだけ Memory Tree が育つか」を答えます。本番の auto-fetch には専用 macOS ノードが現実的です。
Homebrew・apt・curl・MSI:推奨インストールと経路比較
公式は OS パッケージマネージャ経由を最優先します。macOS:
brew tap tinyhumansai/core brew install openhuman
Debian/Ubuntu(署名 apt リポジトリ):
sudo apt-get install -y --no-install-recommends gnupg2 curl ca-certificates curl -fsSL https://tinyhumansai.github.io/openhuman/apt/KEY.gpg \ | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/openhuman.gpg echo "deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/openhuman.gpg arch=amd64] \ https://tinyhumansai.github.io/openhuman/apt stable main" \ | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/openhuman.list sudo apt-get update sudo apt-get install -y openhuman
Windows は GitHub Releases の署名付き .msi を実行します。開発者向けの代替 curl パス(整合性検証なし):
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/tinyhumansai/openhuman/main/scripts/install.sh | bash
| 経路 | 整合性 | 対象 OS | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| Homebrew | ボトルハッシュ | macOS | 本番 macOS 推奨 |
| apt 署名リポ | GPG 署名 | Debian/Ubuntu amd64 | 本番 Linux 推奨 |
| MSI / DMG / deb | リリース署名 | Win / macOS / Linux | オフライン導入 |
| curl スクリプト | 現状なし | macOS / Linux x64 | 迅速な検証のみ |
| npm / pnpm ソース | 開発者検証 | 全 OS | コントリビュート用、本番非推奨 |
起動後、アプリ内 Self-Check で Tauri シェルとローカル DB を確認します。Ollama を使う場合は先に ollama serve を立て、config.toml に以下を追記します。
local_ai.runtime_enabled = true local_ai.opt_in_confirmed = true
社内ネットワークが GitHub raw を遮断する場合、Release 資産を内部ミラーに置き、同版 MSI または deb を配布します。WSL2 では Linux 側ディストロ内で apt を実行し、Windows ホストの PowerShell に混在させないでください。
ヒント: アップデート後に設定が欠ける場合はアプリ内の migrate または設定エクスポートを確認します。Memory Tree の SQLite はアプリ終了中にコピーしてください。
Memory Tree を通す六ステップ:インストールから Ollama まで
経路を選んでインストール: 本番 macOS は Homebrew、Ubuntu は apt、Windows は MSI。curl は検証環境のみ。
サインイン: アプリを起動し TinyHumans アカウントでログイン。管理モデルルーティングを使う場合はここで完了させます。
データ源接続: Gmail、Google Calendar、GitHub 等を OAuth で接続。各連携が typed tool として Agent に露出します。
ローカルと管理の境界: Memory Tree と vault は端末、OAuth プロキシと既定モデルは管理側。要件に応じ direct Composio キーを設定。
Memory Tree 初回確認: auto-fetch 一サイクル(約 20 分)後、vault に Markdown チャンクが増え、Agent がメール件名を引用できるかテスト。
Ollama とクラウド Mac: 任意で Ollama 7B–14B を Metal 上で起動。7×24 取り込みなら 注文ページ で M4 を確保し、VNC で GUI、SSH でバックアップ。
ollama pull qwen2.5:7b ollama serve openhuman
クラウド移行時は OpenClaw 併走ガイド のチェックリストに従い、Memory Tree SQLite、vault ディレクトリ、config.toml をアーカイブしてから新ノードへ rsync します。再起動後も auto-fetch が動くことを一度意図的に確認してください。
OAuth トークンは Git に含めません。共有 Mac では別ユーザーセッションで OpenHuman を動かし、返却前に連携解除とローカル DB 削除を運用手順に含めてください。
要件、TokenJuice、よくあるエラーと次の一手
引用しやすい三つの目安:① OpenHuman v0.53.x 系は 最低 8 GB RAM、Ollama 常時なら 16 GB、Dual-Stack なら 24 GB。② auto-fetch は 20 分間隔、チャンクは 約 3k トークン 以下に正規化。③ TokenJuice によりツール出力のトークンが最大 約 80% 圧縮される報告があり、長いメール取り込みでもレイテンシが抑えられます。
| 症状 | 想定原因 | 対処 |
|---|---|---|
| AppImage 即終了 | Wayland / sharun | .deb または apt 経路 |
| Memory Tree 空 | OAuth 未完了 | 連携再認証、20 分待機 |
| ローカル AI 無効 | config 未 opt-in | local_ai.* を true |
| Ollama 接続失敗 | daemon 未起動 | ollama serve、11434 確認 |
正直な代替案:スリープする MacBook は UI 試用には足りますが auto-fetch を守れません。安価 Linux VPS は VNC 運用が増え、Metal 上の Ollama は使えません。ブラウザ ChatGPT のみ は Memory Tree も Meet 参加もありません。KVMNODE で専有 Mac Mini M4 を月額レンタルすれば launchd 常駐、UMA で Ollama と Memory Tree を載せ、同じ Homebrew 手順を SSH 越しに再現できます。月額 OpEx で 30 日検証してから自購判断するのが、大容量メール取り込みを本番化するチームには現実的です。
運用リズムの例:週次で vault ディスク使用量を確認、月次で OAuth トークン棚卸し、四半期ごとに config.toml バックアップ。SQLite と Markdown の両方を snapshot 対象に含め、初期 20 GB 見積もりだけに頼らないでください。
料金は 料金ページ、納品とネットワークは ヘルプセンター をご覧ください。常時取り込みを CapEx なしで試す準備ができたら 注文フロー から同日中に SSH 可能な M4 を確保できます。