Shopify公式の実行記録では、ワークフローの状態と各ステップの詳細を確認できます。まず「起動したか・どの経路を通ったか・どこで失敗したか」の3点を照合してください。詳しくはShopify Flowの実行記録とモニタリングを参照できます。
症状: ワークフローが有効なのに、注文や商品への処理が見当たりません。
最短の対応: 実行記録を調べ、未起動・条件未一致・ステップ失敗を分けてから修正します。影響を確かめずに過去の実行を再試行するのは避けてください。
対象となる方: Shopifyの注文・商品・顧客対応をFlowに任せていて、未処理や遅延の原因を調べたい越境ECの担当者。
運用担当者は、条件の見落としと一時的なエラーを切り分けるために活用できます。
店舗管理者は、再試行による重複処理を抑え、調査内容をチームに引き継ぐときに役立ててください。
Shopify Flowのワークフローエラーを症状から切り分ける
実行記録がない場合、Flowが起動しなかったのか、検索条件や対象期間のために記録を見つけられていないのかを確認します。記録があれば、状態とステップの情報をもとに、実行経路と失敗箇所を調べます。
| 見えている症状 | 最初に調べる項目 | 次の対応 |
|---|---|---|
| 実行記録が見つからない | 対象期間、注文・商品などの識別情報、トリガーイベント | 記録の検索条件とトリガーの発生を照合 |
| 完了したが、期待した処理がない | 実行経路、条件、変数、比較方法 | 条件が成立したかを実行詳細で確認 |
| 失敗の表示がある | 失敗したステップ、エラーメッセージ、入力データ | データ・連携先・外部リクエストを調査 |
| 実行が長引く、同じエラーが続く | 同じ箇所での反復、取得範囲、ループ、後続処理 | 重複や影響の拡大を確認してから修正 |
実行記録が見つからない場合
実行記録の検索では、注文番号など確認しやすい対象情報と、おおよその発生時期を使います。検索結果がないことだけで、Flowが障害を起こしたとは判断できません。対象イベントが発生していなかった可能性や、別のワークフローを確認している可能性もあります。
次に、設定されているトリガーと、実際に起きたイベントを照合します。トリガーごとに起動の条件は異なるため、「注文に関する処理だから注文作成時に動くはず」と推測せず、Shopify Flowのトリガー説明でイベントを確認してください。
ワークフローの編集後に症状が始まったなら、現在の設定だけでなく変更履歴も確認します。過去の実行と今のワークフローが同じ状態だったとは限らないため、ワークフローのバージョン履歴を照合すると、変更前後の差を追いやすくなります。
完了扱いでもアクションが実行されない場合
実行が完了していても、期待する条件に合わなければ、その条件に続くアクションは実行されません。実行詳細でどの分岐を通ったかを調べ、対象データ、変数、比較方法、条件の組み合わせが意図どおりか確認します。
たとえば、注文を対象にした処理で「特定の条件を満たす注文だけにタグを付ける」設定があるとします。実行自体は完了していても、テストした注文の値が条件を満たさなければ、タグ付けは行われません。これは必ずしも実行エラーではなく、条件未一致として調べるべき状態です。
条件を確認するときは、複数条件がすべて必要なのか、いずれか一つでよいのかも見直します。比較に使う値や条件の組み合わせは、Shopify Flowの条件の説明で確認してください。調査用に画面を保存する場合は、顧客情報や注文情報を伏せてください。
確認ポイント: テスト用のイベントと、本番で問題になったイベントを分けて記録してください。テストで条件が成立しても、実際の注文データやイベントが同じ値を持つとは限りません。
特定のステップで失敗する場合
失敗したステップとエラー内容から、入力データの不足、連携先の問題、外部リクエストの失敗などを分けて調べます。必要な注文・商品情報が取得できるか、ステップに渡される値が想定と合っているかを確認してください。
| エラーの手がかり | 調査すること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 必須データが見つからない、値が空 | 対象オブジェクトと変数の内容 | 入力や条件を直してから再実行を検討 |
| 連携先やリクエストに関するエラー | 接続状態、要求内容、エラーメッセージ | 一時的な失敗か、設定の修正が必要かを確認 |
| データ取得や反復処理の付近で止まる | 対象範囲、ループの内容、同じ処理の繰り返し | 対象を絞れるか、処理構成を見直せるか確認 |
一時的な接続・応答の失敗と、入力値や設定の修正が必要な失敗では、次の対応が異なります。表示されたエラーを控え、修正が必要な箇所が残ったまま繰り返し実行しないでください。エラー別の調査や構成の見直しは、Shopify Flowのエラー対処ガイドとワークフローの最適化に関する説明を確認します。
遅延や再試行が続く場合の対応
実行中の表示や同じエラーの反復が続く場合は、まずどのステップで止まっているか、後続アクションがすでに行われていないかを確認します。外部サービスの応答、取得対象の範囲、繰り返し処理などを調べ、影響が広がる可能性があれば追加の実行を急がないでください。
運用を止める必要があるかは、対象の処理と店舗への影響から判断します。注文への通知や顧客対応など、重複した場合に困るアクションがあるなら、原因を調べる間は手作業で処理状況を照合します。ブラウザーや遠隔操作環境を変えただけで、Flow側の条件や実行結果が直るとは限りません。
原因が明確になったら、修正後の確認に移ります。テスト機能には適用範囲や制限があるため、実際のイベントで確認する場合と区別し、ワークフローのテスト手順と制限を参照してください。
修正後の再試行を決める手順
修正後に以前の実行を再試行する前に、元の記録でどのアクションが完了し、どの箇所で止まったかを調べます。完了済みの処理が再度行われると、通知の重複やタグの二重付与など、業務上の副作用が起きる場合があります。
- 対象の実行記録を開き、状態と失敗ステップを控えます。
- 失敗前に完了したアクションと、未完了のアクションを分けます。
- 修正した設定や入力が、該当するエラーを解消するものか確認します。
- 再試行で通知・更新などが重複しないか、対象データを照合します。
- 再試行、イベントの再発生を待つ方法、手動処理のいずれかを選び、担当者と結果を記録します。
| 選択肢 | 向いている状況 | 判断前に確認すること |
|---|---|---|
| 手動で再試行 | 原因を修正し、再実行による重複の影響を確認できた | Flowの現行の再試行手順と、元の実行状態 |
| 新しいイベントで確認 | 過去の処理を再実行するより、新しい対象で条件を確認したい | 新しいイベントが目的の処理を再現できるか |
| 再試行せず手動対応 | 重複の影響が大きい、または成功済みの処理を分離できない | 対象の処理状況と担当者への共有 |
手動再試行の可否や操作は、Shopify Flowの手動再試行に関する公式説明に沿って判断してください。エラーが直ったという理由だけで、すべての過去実行をまとめて再試行するのは避けましょう。
よくある疑問への回答
運用中に迷いやすいのは、「有効なのに記録がない」「エラーの詳細が見つからない」「再試行してよいか判断できない」といった場面です。FAQでは、記録を確認する順序と、次に取る行動を整理します。
※回答では、症状だけで原因を決めず、対象の実行記録と処理内容を先に照合してください。
時差のあるチームに残す調査メモ
担当者が交代するときは、調査した人以外にも再確認できる情報を残します。最低限、ワークフロー名と確認したバージョン、対象の注文・商品など、実行状態、失敗したステップ、表示されたエラー、行った変更、次の担当者を記録してください。
顧客情報、注文の個人情報、アクセストークンなどは共有前に伏せます。記録には「何を変更したか」と「その後どうなったか」を分けて残すと、修正前の観察結果と修正後の確認結果を取り違えにくくなります。
引き継ぎ時の注意: スクリーンショットだけを送るのではなく、対象の実行を特定できる情報と次に確認してほしい点を添えてください。認証情報や顧客の個人情報は共有しないでください。
運用環境を変える前に決めること
Shopify Flowの未起動、条件未一致、アクションの失敗は、まずFlowの設定・実行記録・連携先を調べる問題です。Macを使った后台アクセス環境に切り替えても、Flowの設定やプラットフォーム上の実行結果が修正されるわけではありません。
一方、個人の端末を交代で使う運用には、ログイン状態や調査メモの引き継ぎが不明瞭になりやすい、作業環境が担当者ごとに分かれる、共有時に認証情報を扱う手順が曖昧になりやすい、といった課題があります。こうした課題には、権限や情報管理の手順を整えることが先決です。必要に応じて、KVMNODEのMac環境をチームの后台アクセス候補として比較できます。環境を選ぶ際は、米国東部向けMacの案内も確認できます。
先に実行記録で原因と影響範囲を確かめ、それから修正や再試行を決めてください。時差をまたぐ引き継ぎ用にMac環境が必要な場合はKVMNODEの選択肢を検討できますが、レンタル環境がFlowの設定を直したり、ワークフローの実行成功を保証したりするものではありません。